写真とテキストのサイト『SaL』の別冊版です。


by y_nkzw

カテゴリ:しゃしん( 75 )

何年か前に

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何年か前に撮ったまま現像していないフィルムを見つけた。

何が写っているかわからない。
意を決して現像に出す。フィルム自体、もう無くなってしまったアグファ社のものだ。

現像された写真には、そういえば撮ったなあ、という街のスナップ写真が写っていたのだが、その中の一枚に今では取り壊されてしまった建物が写っていた。現在はパチンコ屋の駐車場になっている。

この建物は、パチンコ屋の駐車場との時間軸の線上で、わずか1ミリにも満たない僕が撮った写真のフィルムの中に、今もこうして変わらない。

変わらないものを無理して変える必要もない。
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by y_nkzw | 2007-01-13 17:50 | しゃしん

年賀状

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一ヶ月も書いてないべや。
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イノシシの写真を撮ったことがない。
なので、今年の年賀状はテキストとイラストでごまかした。

昨年の年賀状には犬の写真を使えた。犬は思わず撮ってしまうから。
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申年はイラストを描いた。
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一度全部写真でやりたい、と思ったが、なかなかそうも行かない。そもそも、辰年はどうする。
来年は子年だ。昨年、児童公園で久しぶりにネズミを見たが、写真を撮っておけば良かった。
毎年、こんな事を考えているが、どうせ年賀状を書くのは12/30ぐらいで、締め切りが迫らないと構想を練ることもない。

なんだ、仕事と同じだ。それじゃあ、しょうがない。
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by y_nkzw | 2007-01-01 16:25 | しゃしん

水の中

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水の中なのか、空なのか。
進んでいるのか、止まっているのか。
何を思うか、思いはないのか。

その冷たい「青」の中で、陰だけがそれを知っている。

光の道を行く、つるりとした背中の君がぐるっと廻った。
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by y_nkzw | 2006-11-21 01:46 | しゃしん

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子供の頃、木工用ボンドを手の甲に塗って、乾いてから丁寧にはがし、「皮が剥けた!」と騒ぐのが流行った。

だんだんエスカレートし、大きさを競い合ようようになるわけだが、皮膚の模様も形どられたりするし、大きくなればなるほど手の形に近づいてきて気持ち悪かった覚えがある。

秋になり、落ちている楓の葉を見ると思い出す幼い頃の微塵の想い出。

「無駄なことが大切なのだ」とは言われるものの、やはり「無駄なこと」だったと30才を過ぎた今、ようやく確信をもてる。今でも、指先にボンドが着くと、無意識にきれいに剥がしてしまう少年の心を持った僕です、と書いても全然きれいにまとまるわけがない。
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by y_nkzw | 2006-11-04 08:09 | しゃしん

栗を拾って

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栗を拾ってきて栗ご飯をつくったのは、子供の頃のことだ。

靴で栗の殻をむいて実を出す。大きい実が入ってたり、虫食いじゃないとすごくうれしい。拾った栗でつくる栗ご飯の中には、たまに虫が入ってることがあった。そのころのトラウマか、栗ご飯を食べるときは虫が入っていないか注意深くなってしまう。よく考えたら、虫が全く入ってない方が農薬すごい使ってそうで危ないんじゃないか。

社会的な問題を提起したようですが、虫は食べたくないので提起しません。
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by y_nkzw | 2006-09-26 00:37 | しゃしん

大きいもの

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大きいものが良い、とされる時代があった。

今は小さいものが良いとされるが、家にある何十年も前のものすごい大きなステレオや、カセット1台とラジオだけついてる旅行鞄ぐらいの大きさのラジカセは、今でも家の中で大きな存在感を放っている。ラジカセはやっぱりソニー製だ。

今日、僕の部屋に置いてあったCDをすべて押し入れにしまった。ituneに入れているから、と言う理由と、もう置く場所がない、ということがその決断を後押しした。

そういえば一番最初に買ったのはレコードだったし、確かおニャン子クラブか後ろ指さされ組だったと思う。一番最初に買ったCDはトップガンのサントラだ。一番最初に買ったitune storeはバッハだったりする。

本当は大きなステレオでバッハとか聞くと良いのだろうけど、バッハはipodで聞いて、後ろ指さされ組は大きなステレオで聞いていた。

結局、技術の進歩は「矛盾」を量産しているだけかもしれない。
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by y_nkzw | 2006-09-23 23:30 | しゃしん

秋です。

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空が秋です。
風が秋です。
光が秋です。

オンコの実も赤くなりました。
秋はすべてが韓紅花(からくれない)に染まります。

その後真っ白になるんです。まるで何かを隠すように。
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by y_nkzw | 2006-09-16 10:36 | しゃしん

風が吹いたら

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風が吹いたら、時が止まった。
再び動き出すまで、風は止まったままだ。
時計の針を少し遅らせてみた。
もう少しだけ針を左に回してみようか。
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by y_nkzw | 2006-09-03 20:56 | しゃしん

夏が迎えに来る

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夏が迎えに来るのを待っていた青年は、夏とともに横断歩道を渡って去っていった。

僕は、彼の残していったポジフィルムのような輪郭をトレースすることで、僕自身の忘れてきた落とし物を思い出す。真っ白な半紙に落としてしまった墨汁のように、文字を書く前に書き損じてしまった、あの夏休みはもう書き直すことはできない。

墨汁がにじんでできたグレーの部分は、辛い想い出ででさえ、いとおしいものに変えてしまうフィルターとなり、なにか大事なものを覆っているようだ。
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by y_nkzw | 2006-08-27 01:30 | しゃしん

夏の風は

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夏の風はいつもやわらかく背中をたたく。
振り向くと、カーテンが手招きしていた。
空は恥ずかしがり屋で、今日は雲の陰に隠れている。
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by y_nkzw | 2006-08-23 09:10 | しゃしん