均衡
2006年 02月 18日
びっくりしたのだが、あの先進国アメリカで、旧約聖書の関係上、というか宗教上の理由で、州によっては、あるいは学校によっては、進化論を批判し、インテリジェントデザイン(「生物の誕生の背景には何らかの知的計画があった」という立場)を正式に教育の現場で教えているところがあるという。
このたび、オハイオ州の教育委員会で教科書から、「進化論を批判的に分析する科学者の動きについて理解する」という項目を消すことが決まったそうだ。今更、何を言ってるんだこの国は。まじかよ。
でも、宗教は自由だ。人類が神がつくりだしたものだ、ということは信じるに値する、一つの概念であることは否めない。でもねえ、なんだろ、進化論を否定するって、ちょっとやばくないか。アダムとイブとか本気にされても困るし。多様性とかないと、生き残れないじゃん。
だって、ビックバン以降の宇宙の膨張を観測してるのも、最小限の原子から生命が誕生するプロセスを研究してるのもNASAだし、それと同じ国で神がつくりたもうこの世界、とか言ってる。すごい国だ、アメリカ。自由すぎ。
アメリカに留学してる友達が言ってたことですごいなと思ったのは、
「戦争始まるとこの国は経済が良くなって盛り上がるんだぜ、ホントに。おかしいよ、あいつら。」
という、吐き捨てるように言った一言。
自由とは誰かの犠牲でかろうじて保たれている。
シーソーが傾いてるとき、下にいる人はホッとしてる。上にいる人はいつ落ちるかわからなくてびくびくしてる。
そんな、危うい均衡のなかで、僕らは、ゆっくりと平行を保とうと必死になってる子供にすぎない。
by y_nkzw
| 2006-02-18 02:47
| しゃしん